ここでは「農地法の転用許可・届出」に関する豆知識をご紹介したいと思います。
農地転用、その”原則”と”例外”
農地転用とは、単純化すると「農地を」「農地以外にすること」と言えます。
それはどの場所であってもどのような目的であっても同じことのはずですが、「許可」を必要とする場合と「届出」を必要とする場合があり、そのハードルの高さは全く違います。
今回はこの違いについてご紹介しましょう。
農地転用「許可」が原則
農地転用制度の基本ルールは、農地法で定められています。そして、その農地法では次のように定められています。
農地法(抜粋)
第4条第1項
「農地を農地以外のものにする者は、都道府県知事(略)の許可を受けなければならない。」
第5条第1項
「農地を農地以外のもの(略)にするため、これらの土地に(略)権利を設定し、又は移転する場合には、当事者が都道府県知事(略)の許可を受けなければならない。」
つまり、「許可が原則」ということになります。
農地転用「届出」は例外
「許可」を原則とすると「届出」は例外になるでしょう。ただし、例外が必ずしも希少であったり難しいというわけではありません。誤解を恐れずに言えば、簡易な手続きと言ってもいいと思います。農地法では届出を次のように定めています。
農地法(抜粋)
第4条第1項本文
「~許可を受けなければならない(原則の項を参照)。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。」
第7号
「市街化区域(略)内にある農地を、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地以外のものにする場合」
第5条第1項本文
「~許可を受けなければならない(原則の項を参照)。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。」
第6号
「前条第1項第7号に規定する市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地及び採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得する場合」
つまり、「届出は例外」ということです。
農地転用、許可と届出の違い
①審査の内容と結果
許可申請と届出では、書類の形式も必要書類も手続の流れもほとんど違いますが、その中でも一番大きな違いは
・ 許可は、「実質審査があり、農地の位置・周囲の状況、転用の目的は許可の審査に影響がある」
・ 届出は、「形式審査であり、《市街化区域内であれば》農地の位置や転用の目的は、届出の審査に影響はない」
ということです。
②申請から許可書・受理通知書が交付されるまでの期間
そのほか、申請から許可書、受理通知書が交付されるまでの期間についても特に問題がない案件であれば通常、
・ 許可は、約1ヵ月~約2ヵ月
・ 届出は、約1週間~2週間
程度となっており、その期間にも大きな違いがあります。
(※期間は農業委員会等の行政庁の繁忙状況、補正の要否などにより多少変動があります)
③許可・届出後の手続き
許可書交付、届出受理通知交付後についても異なります。
・ 許可は、申請した許可内容を完成させる義務があり、工事進捗状況の報告義務や工事が完成した際の報告義務があります。(昔の許可は不明ですが、現在では、法令が改正されていて、必ずそれらの許可条件を付されています。)
・ 届出は、許可のような義務はありません。
それらの義務から、
・ 許可は、工事中止になった場合の届出(許可書の返戻)や工事内容の変更があった場合の変更承認手続き等が必要になる。
・ 届出は、そのような義務はない。
という違いがあります。
行政書士に依頼する場合や自分で手続きを全て行う場合は、それらの手続のことまで念頭に置いて計画を立てましょう。
上記義務違反は、場合によっては以後のほかの農地転用手続きにも影響を及ぼす場合がありますので軽視しないようにお気をつけください。
以上のように許可と届出では手続き内容や許可や届出の難易度に大きな違いがあります。
許可の場合、書類や図面の作成、手続きにおいて行政手続や農地転用に関する知識と経験が必要となります。
また、届出であっても、必要になる知識に違いはありませんので、手続き面で思わぬ時間を取られる場合があり、それが計画全体の遅れへと繋がる場合もあります。
そのため、費用はかかりますが専門の行政書士に依頼する方が確実です。
当事務所では、初回のご相談は無料でお受けしております。
もし、農地転用時に「不受理」とされた場合、平日の日中に時間を取れない、手続きに不安・面倒は任せたいという場合は、一度ご相談ください。

